がん薬物療法センター概要
Overview
これまでは“抗がん剤”や“化学療法”と呼ばれることが多かったですが、現在はがんに対する薬剤は多岐にわたり、従来の抗がん剤に加え、ホルモン治療薬、がん分子標的治療薬といった新機軸の薬剤が次々に登場していることもあり、がん薬物療法と表現されることが一般的となっています。
がん三大治療法のなかで急速に進展。
がん薬物療法センター
この度がん薬物療法センター長を拝命した腫瘍内科の岡田です。
がん薬物療法はがんの三大治療の中で最も急速に進展している分野であり、標準治療が目まぐるしく置き換わっています。
最新の有効な治療を把握することはもちろん、多様化する薬剤による有害事象(副作用)の対策(支持療法/サポーティブケア)も併せて行う必要があり、高い専門性が求められています。
当院がん薬物療法センターでは各臓器別専門診療科のがん薬物療法を化学療法室に集約化し、確実で安全な治療の提供を心掛けています。
がん薬物療法チームでは通院治療・入院治療を問わず、がん薬物療法を実施するうえでの相談やアドバイスなどのサポートをしています。
腫瘍内科ではがん種を問わず臓器横断的にがん薬物療法を実施し、支持療法/サポーティブケアにも力を入れています。
また、がん診療における総合的なマネージメントを行い、早期からの緩和医療の導入と在宅療養などケアの部分での連携をとって診療にあたっています。
最近では高精度医療の旗印としてがんゲノム医療が実地診療に実装され、遺伝学的検査が盛んにおこなわれるようになってきました。
これらの検査は個別化医療を推進するうえで非常に有力な手掛かりとなる一方、遺伝性腫瘍が指摘されるケースが増えてきています。
がん薬物療法チームおよび腫瘍内科では該当する患者とその家族のカウンセリングも積極的に行っています。
院内で行う治療レジメンを委員会で審査し、コンセンサスを得た治療レジメン登録を行っています。
このように多岐にわたる業務を多診療科、看護師、薬剤師、栄養士、その他さまざまな立場の職種が関わり、よりよい治療の提供を目指していますので、どうぞよろしくお願いいたします。
がん診療センター副センター長 / がん診療薬物療法センター長
岡田 佳也(おかだ よしなり)
チーム連携
がん薬物療法センターの薬物療法室では、専門分野と密接に繋がり患者さんのがん治療を支えます。
それぞれの機能を最大限に活かし、求められる治療を実践しています。
腫瘍内科について
近年がん薬物療法は進歩を遂げており、治療選択肢の多様化や有害事象の対策が多岐にわたっているためより専門的な診療の必要性が求められてきています。
当院ではがん種ごとに専門診療科で治療を行うことに加え、臓器横断的にがん薬物療法を専門とする腫瘍内科でも治療を行っています。
腫瘍内科ではさらに痛みなどの症状に対する緩和治療も積極的に行っており、緩和医療科と一体的な診療も実施しています。
つまり、がん治療を行うだけでなく、がんによる苦痛、がんの治療に伴う苦痛に対しても向き合い、患者さん・ご家族の希望に沿って治療計画・療養計画(アドバンスケアプランニング)を相談していくことを大切にしています。
化学療法室
化学療法室では多診療科のがん薬物療法を行っています。安全で確実ながん薬物療法を実践するためにセンターに集約化して治療にあたっています。
化学療法室では主に外来通院治療をされる患者さんがADL(日常生活動作)を保ち、QOL(生活の質)を損なわずに治療を受けられるよう診療にあたっています。
がん薬物療法看護外来について
近年、がん治療においては、様々な選択肢がたくさんあります。治療選択において、特にがん薬物療法について、特に副作用のことなどでお困りの際は遠慮なくご相談下さい。
がん治療によって身体の変形・瘢痕・脱毛・皮膚や爪の障害・むくみなど短期的なものから永続的なものまでさまざまな外見の変化を生じますが、これまで、これらについては直接生命の危機を感じさせるものではないと捉えられ、軽視されてきました。
しかし、近年のがん治療の進歩に伴い通院治療が中心となり、治療成績も向上したことで、仕事を持ちながら通院している患者さんが年々増加しています。
治療に伴う身体的副作用のなかでも外見に現れる副作用の苦痛度が高かったという報告があり、患者の外見の問題に対する意識の変化と支援ニーズは高まっています。
この看護外来では、外見の変化を補完し、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減できるようなサポートもさせていただきます。まずはお気軽にご相談ください。
がん薬物療法薬剤師外来について
近年、内服抗がん薬や副作用の少ない点滴抗がん薬の開発により、外来でがん薬物治療を受けることが主流となってきています。
外来がん治療はご自宅から通院して治療を受けるということから普段のライフスタイルを維持することができるというメリットがあります。
しかし、内服や点滴の抗がん薬は投与して数日経過してから副作用が出現することがあります。
薬剤師外来では、新たに治療が始まった患者さんや治療内容が変更となった患者さんとの面談を通じてこのような副作用を早期発見し、医師や看護師と協力しながら早期対応できるよう努めています。
がん薬物療法チームについて
当院では医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・医療事務で構成されたがん薬物療法チーム活動を実施しています。
化学療法室を利用される患者さんや入院でがん治療を受けられる患者さんが快適かつ安心して治療を受けることのできる環境を整えるために活動しています。
また、治療方針の相談のみならず、診断や副作用の対策・対応、薬の飲み合わせの指導、栄養指導といった多岐にわたる相談に応えています。まずはご相談ください。
チーム紹介
がん薬物療法センターでは乳腺外科医だけでなく形成外科、病理診断科、放射線治療科、薬剤師、技師、看護師とともにチーム医療を実践しています。
がん薬物療法センタースタッフ
外来診療の案内
多根総合病院がん診療センターでは、入院による治療だけでなくがん治療の専門分野において外来での診療も行っております。
がん薬物療法センターでは、看護外来と薬剤師外来を行っています。がん治療を継続するのは、住み慣れたご自宅で居たいと考えられる方も少なくありません。
私たちは、在宅での加療を外来診療というサービスを通じて提供しています。不安に感じられることは、いつでも気軽に相談頂ける体制を整えております。
看護外来
副作用のチェックを中心に、薬剤の効果などをチェクしております。
現在休止しております。
薬剤師外来
薬剤師外来では、主に副作用のチェックから治療開始時には使用する薬剤について発現しやすい副作用やその予防方法の説明を行います。 副作用は、様々な条件で発生します。その発現時の対処方法などについてわかりやすく説明させて頂きます。
その後、治療内容や説明内容を記録として留めておけるように、患者さんにお渡しします。また患者さんには、日々の症状をご記載頂きます。受診時に「症状チェックシート」を医師、看護師、薬剤師が確認し、症状の改善についてチームで対応します。
受診までの流れ
がん診療センターの薬物療法を受診するには、まず今かかられている主治医にご相談ください。
現在の主治医から当院の地域連携室に連絡が入り、受診できる日を調整することになります。
患者さんから直接のお電話の対応窓口ではございませんので、主治医にご相談ください。
多根総合病院
地域支援センター 地域医療連携室
TEL:06-6585-2780(直通)
FAX:06-6585-2330(直通)