PALLATIVE CARE CENTER 緩和ケアセンター

緩和ケアセンター概要

Overview

当院に緩和ケアには、外来部門として緩和医療科、入院施設として緩和ケア病棟があり、一般病棟入院中の患者さんを対象としてがんサポートチームがあります。
がん治療のため通院中の患者さんの不安や抑うつ気分など精神的苦痛に対しては「こころの外来」があります。
患者さんとご家族のご希望にお応え出来る様になっております。


多根総合病院の緩和ケア

令和5年1月1日より緩和ケアセンター長を拝命した精神腫瘍医の柄池です。
緩和ケアは2002年にWHOより「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に同定し適切に評価し対応することを通して、苦痛を予防し緩和することにより、患者と家族の生活の質を改善する取り組みである」と定義されています。
当院の緩和ケアは、診断・治療を行っている主治医を中心として、緩和ケア研修を終了した身体担当医、精神腫瘍医、がん関連認定看護師、緩和ケア経験豊富な看護師、薬剤師、栄養士など多職種が関わり、患者さんの症状緩和に努めています。

がん治療の目標

治癒
予後の延長と生活の質の向上

緩和ケアの目標

予後の改善と生活の質の向上

包括的がん治療の目標は同じです。早期からの緩和ケア介入(当院ではがんサポートチームで行っています。)により予後の延長と改善が得られた有効性が示されています。
国のがん対策推進基本計画にも「がんと診断された時から緩和ケアの推進」が謳われています。
緩和ケア病棟への入院を希望されるとき、がんサポートチームの介入を希望されるときは、主治医もしくは病棟師長にお伝え下さい。


治療方針

きつこう会の理念「愛を原理とし、秩序を基礎とし、進歩を目的とす」に則り、緩和ケアを必要とする患者さんとご家族の思いに寄り添い、からだとこころの痛みを和らげ、その人らしい生活ができるよう支援いたします。

緩和ケア病棟の特徴

緩和ケアを必要とする患者さんとご家族に緩和ケア病棟を提案しています。緩和ケア病棟では、その人らしい生活ができるように支援します。
24時間いつでも面会に来れる環境、ご家族で過ごせる個室なども充実しております。
(現在コロナ渦のため制限があります)

こころの外来

精神腫瘍外来を担当します精神腫瘍科医の柄池真規子です。
がん診療の中で何らかの苦痛、すなわち身体的、機能的、精神的、社会的な苦痛を除去する医療を提供するのが緩和医療とされています。
この緩和医療の中でも、がん患者さんの心の問題について関わっていくのが、こころの外来です。精神腫瘍医の役割は、

・疾病や治療に関する適切な情報を提供すること

・決して孤立しないように情緒的に支えること

・治療を続ける上で患者さんを悩ます不眠や不安、気分の落ち込みに対して、精神医学的な治療を含めたサポートを用意し、最善の治療を受けられるように医学的なサポートを提供すること

です。当院では、がん治療の主治医、がん薬物療法センターの医師、看護師、薬剤師、栄養士など多職種が関わり、よりよい治療の提供を目指していますので、どうぞよろしくお願いいたします。

心のケアについて

がんという言葉は、こころに大きなストレスをもたらします。
そして、病名を耳にした後の数日間は、「まさか私ががんのはずがない」「何かの間違いに決まっている」などと、認めたくない気持ちが強くなる人がほとんどです。

「なぜ、自分だけこんな目に遭わなければならないのか」「「私が何か悪いことをしたのか」などと怒りを感じることもあるでしょう。
「食生活が悪かったのではないか」「仕事のストレスのせいだ」などと、自分を責める人もいます。

こういった反応は、大きなこころのストレスに対して防衛機制を使って、心のバランスをとる反応です。
防衛機制とは、心が現実を対処し適応するために日常的に用いられているメカニズムです。

例えば、否認によって不安が和らげられます。しばらくの間は、不安や落ち込みが強い状態が続くかもしれません。
眠れなかったり、食欲がなかったり、集中力が低下する人も少なくありません。中には、今まで経験したこともないような、つらい状態におちいってしまう人もいます。

これらはある程度は通常反応ですが、そのために日常生活に支障が出るほど強ければ対策が必要になります。
次にあげます不安・落ち込みの症状にあてはまる項目が多く、それが何週間にもわたって続くようであれば、治療が必要なほどストレスが高い状態です。

精神的に安定すると、生活が送りやすくなるだけでなく、よりよい治療効果も期待できます。
不安だな、何か気になることがある、一度話を聞いてもらいたい、など気になることがありましたら、主治医に御相談の上、予約して受診して下さい。
※ 当院でがん治療のため追院している患者さんを対象としています。

緩和ケアについて

緩和ケア病棟理念

きつこう会理念「愛を原理とし、秩序を基礎とし、進歩を目的とす」に則り、緩和ケアを必要とする患者と家族の思いに寄り添い、からだとこころの痛みを和らげ、その人らしい生活ができるように支援します。

緩和ケア病棟のミッション

きつこう会理念「愛を原理とし、秩序を基礎とし、進歩を目的とす」に則り、緩和ケアを必要とする患者と家族の思いに寄り添い、からだとこころの痛みを和らげ、その人らしい生活ができるように支援します。

  1. からだとこころの苦しさを取り除く事に努めます。
  2. 相談しながら患者と家族の望む生活を最大限に支援します。
  3. 家族との時間が必要な方には自宅と同じように語らえる環境を提供します。
  4. 病棟でもご自宅でも安心して過ごせるように支援します。
  5. かかりつけの医療機関から勧められた方にも安心と安らぎを提供します。
  6. ご家族のご心配ごとも伺います。

患者さんの希望を実現できる病棟であるために

緩和ケア病棟では、患者さんが可能な限りいつもと同じ生活をおくることができるよう、苦痛を和らげるための治療を積極的に行っていきます。
患者さん、ご家族の様々なニーズにお応えできるようにしています。どんな些細なことでもかまいません。患者さん、ご家族の思いや願いをお聞かせください。
私たちスタッフ全員で皆さんの願いを応援いたします。

緩和ケア病棟の一日

病棟の一日は、基本的な食事の時間が決まっておりますが、ゆっくり過ごしていただくことを目指していますので細かな時間割などはありません。

デイルームでのんびりお茶を楽しまれることも、ご家族が作った食事を一緒に食べていただくことも可能です。

入院中でも、できるだけ普段の生活と変わらない生活を送って頂けるように四季の行事会や、誕生日会を開催しています。また、一年を通じて季節のイベントを積極的に行っております。

緩和ケア病棟の環境について

緩和ケア病棟の環境は、病棟の安心感の中に普段の生活をおくれるようになっています。
一般病棟では難しい心配りをめざしています。

トイレはいつでも自分の力で行きたい。そんな患者さんの気持ちにお応えできるようにお部屋のすぐそばに設置しています。ご家族の方が利用できる控え室を用意しています。ご利用を希望されるご家族さんは、緩和ケア病棟の看護師にお申し出ください。※施設に限りが御座いますので全てのご家族にご利用いただけない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

12階には、特別浴室と一般浴室を備えています。寝たままで入浴できるストレッチャー式シャワーでの入浴のお手伝いをさせていただきます。

普段の生活を緩和ケア病棟でおくれるためにミッション

緩和ケア病棟での時間が少しでも普段の生活と同じように過ごしていただけるように基本理念を下記の通りお示しいたします。

  • 緩和病棟は12階病棟の最上階にあり、大阪の街並みや夜景が一望できます。デイルームはご家族やご友人とゆったり過ごしていただけるようになっております。休憩やお食事など自由にご利用いただけるスペースとなっています。
  • 市街地に居ながらも自然を感じられます。7階テラスはあたたかな光、やわらかな風、草花の優しい息吹が心を包み込み、癒される場所となっております。9時から17時開園(夏期は6時から19時)ですので気候がよく体調の良い時にご利用ください。
  • 手料理を楽しんでいただけるようキッチンを用意しています。簡単な調理器具、電子レンジ、オーブントースターなどがありますのでご利用ください。後片付けをきちんとお願い致します。
  • インターネットが利用できます。病棟内にはインターネットが使える設備がございます。ご利用の際は、お使いのパソコンをお持ちいただき、看護師に申し出てください。
  • 面会時間は、相談可能です。基本は午後1時から午後8時まで、日・祝日は午前11時から午後8時までです。 (患者さんの状態により面会時間の相談は随時おこなっています)
  • いつもの寝具でお休みください。入院中は使い慣れた寝具を持ち込んだりしていただいても構いません。自宅にいるように自由にゆったりお過ごしください。

緩和ケア病棟の入棟基準について

緩和ケア病棟を必要とされる患者さんに守っていただきたいルールがあります。

入棟基準

  1. がんを患い、体や心に苦痛のある患者さんが対象です。
  2. 患者さんとご家族が、緩和ケアを希望されていることが原則です。
  3. 患者さんが病名、病状について理解していることが望まれます。
  4. 家族がいない、収入が乏しいなど、社会的、経済的、宗教的な理由で差別しません。
  5. がんに対する治療を希望されたり、外科的処置の必要となる場合は一般病棟へ転床していただきます。
  6. 重度の認知症、大声、暴力など、他の患者さんの入院生活に影響があると判断される場合は入院をお受けしていません。
  7.  

※当院通院中・入院中の患者さんは、主治医にご相談ください。
※他院通院中・入院中の患者さんは、地域連携室を通して緩和医療科をご予約の上ご相談ください。

退棟基準

  1. 患者さん、またはご家族が退院を希望されるとき
  2. 悪性腫瘍の縮小あるいは治癒を目的として治療を希望されるとき
  3. 悪性腫瘍以外の病気を有し、その治療を優先する必要があるとき
  4. 苦痛症状が緩和され、病状が安定したとき
  5.  

緩和ケア病棟には入棟と退棟のルールが御座います。より多くの患者さんにサポートが提供できるよう努めております。総合病院という環境を活かした体制で治療を再開することも、自宅での緩和ケアを継続されるなど、よりフレキシブルな要望に対応できるようになっております。

緩和ケアをご利用いただくまで

主治医と御相談ください。

がんサポートチーム

一般病棟に入院し中の患者さんの疼痛をはじめとする症状緩和や在宅医療調整、意思決定支援などを行っています。

緩和ケア外来ドクタープロフィール

石丸 英三郎

石丸 英三郎(いしまる えいざぶろう)

役職

  • 緩和医療科部長

専門分野

緩和ケア/消化器・一般外科

資格・専門医・指導医等

  • 近畿大学医学博士
  • 日本緩和医療学会認定医
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器病学会専門医・指導医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
  • 日本大腸肛門病学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会認定医
  • 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 緩和ケア研修会指導者
  • がん診療に関わる医師に対する緩和ケア研修会修了
  • インフェクションコントロールドクター(ICD)
  • 臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法指定医(膀胱・直腸機能障害、小腸機能障害)
  • 難病指定医
  • 近畿外科学会評議員
  • 近畿大学医学部非常勤講師

所属

  • 日本緩和医療学会
  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本大腸肛門病学会
  • 近畿外科学会

メッセージ

患者さまとご家族が穏やかに過ごすことができるように、最適な緩和ケアを提供いたします。

柄池 真規子(がらいけ まきこ)

柄池 真規子(がらいけ まきこ)

役職

  • 部長

専門分野

精神科全般/認知症/緩和ケア

資格・専門医・指導医等

  • 厚生労働省認定 精神保健指定医
  • 日本精神神経学会 精神科専門医・指導医・認知症診療医
  • サイコオンコロジー学会認定・専門医
  • 日本認知症学会 認知症専門医・指導医
  • 厚生労働省認定 認知症サポート医
  • 日本医師会認定 産業医
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
  • 精神腫瘍学の基本教育に関する指導者研修会修了

所属

  • 日本精神神経学会
  • 日本認知症学会
  • 日本認知症予防学会
  • 日本サイコオンコロジー学会

メッセージ

患者さんが穏やかに生活できるように、また、納得できる治療を受けられるように支援して参ります。

岡田 佳也(おかだ よしなり)

役職

  • 腫瘍内科副部長
  • がん診療センター副センター長

専門分野

がん薬物療法/遺伝性腫瘍/緩和医療/レギュラトリーサイエンス

資格・専門医・指導医等

  • 東北大学医学博士
  • 東北大学臨床研究監理センター非常勤講師
  • 東北大学東北臨床研究審査委員会技術専門員
  • 日本内科学会認定 認定内科医・指導医
  • 日本内科学会認定 総合内科専門医
  • 日本がん治療認定医機構認定 がん治療認定医・指導責任者
  • 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医・指導医
  • 日本肉腫学会認定 肉腫専門医・認定指導医
  • 日本遺伝性腫瘍学会認定 遺伝性腫瘍専門医
  • 日本緩和医療学会認定 緩和医療認定医・研修指導者
  • 日本消化管学会認定 胃腸科認定医
  • 日本乳癌学会認定 乳腺認定医
  • 難病指定医
  • 小児慢性特定疾病指定医
  • がん診療に関わる医師に対する緩和ケア研修会修了

所属

  • 日本内科学会
  • 日本癌治療学会
  • 日本臨床腫瘍学会
  • 日本肉腫学会
  • 日本遺伝性腫瘍学会
  • 日本緩和医療学会
  • 日本消化管学会
  • 日本乳癌学会

メッセージ

がん診療を総合的に提供できるよう、努めて参ります。

ペインクリニック

痛みをコントロールすることで穏やかに過ごすことができ、治療への意欲を高めることで日常生活の改善を目指します。

緩和ケア外来の外来担当表

緩和ケア外来では、「こころの外来」にて当院通院中の患者さんのメンタルサポートをしています。

受付時間
緩和医療科 午前
09:00

11:30
岡田 佳也
(ACP)
和田 健太郎
(新患)
石丸 英三郎
(再診)
午後
13:00

15:00
石丸 英三郎
(新患)
石丸 英三郎
(新患)
和田 健太郎
(再診)
  • 青字は専門診療科目赤字は再診予約の方のみとなっております。
  • 赤マスの日は休診日です。
  • 全診療科で予約診療制度を導入しています。
  • 初診・再診に関わらず、予約センターにて診療予約が可能です。
    (予約センター直通電話番号:06-6585-2729
  • 都合により、休診または代診となる場合がございます。ご了承ください。